ニューヨークで会社をクビになったので、バイト探しを始めたのです。。

【アメリカ】生活編

働いていたニューヨークの航空会社を2年足らずでクビになった僕(前回の記事参照)は、さっそくバイト探しをはじめました。

正直勤めていた航空会社(チャイナエアラインズ)には、こちらもホトホト嫌気がさしていたので、特にショックもなく、リフレッシュした気持ちで、バイト探しに臨むことになりました。

また、クビになっておきながらアレですが、その時点では、まあなんとかなるだろう、という気持ちの余裕もありました。

なんせ【MixB】や【ひびなび】といったニューヨークの生活サイトには、大量のバイト案件が掲載されているのを知ってましたし、

[まあ、なんといっても世界No1の街ニューヨーク。いろんな業種の店がそこら中に溢れているし、バイト探しくらい楽勝だろう]

とタカをくくっていたのです。

、、、

はい、、確かに実際その通りです。

現に、バイト自体はすぐ見つかるのです。

、、、

、、、

しかし、問題はそれが続かないことです。

、、、

、、、

すっかり忘れてました。

そういえば、自分は社会不適合の気質をふんだんに持ち合わせていたことを。

バカなくせにプライドだけは高く、気に食わないことがあると後先考えず、すぐに口に出してしまうことを。

(航空会社もそれでクビになったようなもんですし)

そんな性質の自分が、いくらでも他に選択肢のある状況での”アルバイト”というポジションで長続きするわけがないのです。

めん◯◯亭でのバイト

で、最初に行ったのは、マンハッタンの中心からちょっと離れた場所にある小さなラーメン屋、めん◯◯亭です。

ここは半日行っただけで辞めました。

トレーニングをしてくれる女性(40代後半のおばさん)が、なんかもう無理でした。

なにしろ、やたらと慌てるのです。

昼3時くらいで、客が2人しかいない状況でも、意味もなく忙しそうに動き回り、

【これぞ繁盛ラーメン店の宿命、疾風怒濤(どとう)の立ち回りなり!】みたいな雰囲気を出してくるのです。

厨房と店内をやたらと早足で行ったりきたりし、レジに行き、テーブルに行き、冷蔵庫に行き(特に何も取ってこない)、と1人で大忙しなのです。

しかし、再度言いますが、客は2人しかいません。

何をそんなに急ぐのか。この状況で、そんなに張り切られても、客もこっちも落ち着かないし正直、逆に迷惑なのです。

さらに、メモを取ろうとしている僕に対し、

おばさん
おばさん

メモ取ってるヒマはないよ!(ある)

おばさん
おばさん

仕事は、見て盗んで!

おばさん、
おばさん、

習うより身体に染み込ませて!

など、一昔前のラーメン屋のドキュメンタリー番組で出てきそうなイタイ台詞を連発してきます。

で、言われる度に、イラっとするのはもちろんのこと、それと同時に共感性羞恥心というのか、こっちまでちょっと恥ずかしくなってくるのです。

なので、この時点でどのみち、将来そのオバさんと衝突することは火を見るより明らかだったため、その日すぐに辞めました。

(ただし、4時間くらいしかいなかったのに、ちゃんと35ドルもらえて、びっくりしました)

日系スーパーDai◯◯◯◯

次に行ったのは、マンハッタン中心街にある日系スーパーのDai◯◯◯◯です。

ここは、食料品の他、日本から輸入した様々な日用品が売っている総合スーパーみたいな感じの店です。

僕の役目としては、そこの品出し作業のポジションだったのですが、寒すぎて2週間で辞めました。

なんせ店頭に品出しをする度に、地下の巨大な冷凍室へ入り、中から該当の商品を取ってくるのですが、その室内はマイナス40度もあります。

たまったもんじゃありません。また、その冷凍室には数百個の商品があるので、慣れないうちは該当の商品を探し出すまでに時間がかかり、冷凍室を出る頃にはあまりの寒さに体調が悪くなります。

一応、防寒着があるのですが、そんなもの来ていてもめちゃくちゃ寒いです。

なんか、もう入る度に、映画SAWIIIでみた冷凍室での拷問を思い出して、(うわぁ、冷凍室に5分いるだけでもこんなにキツいのに、あの女は裸で24時間も放置されたのか、可哀想に。。)と仕事とは全く関係ない変な感想まで出てくる始末です。

さらに、そこの店長は、最初「自分のペースでゆっくりやればいいから、分からないことがあればなんでも聞いて」と言っていた割には、僕が2週間目に、冷凍室内の捜索時間を短くできるよう、事前にある商品(冷凍天ぷら)の位置を尋ねた際、

「え?まだそんなこと覚えてないの?」

と自己矛盾の発言をされ、わずか2週間で数百個の商品の位置を正確に暗記できると思っているその非常識さにも腹が立ち、すぐに辞めました。

この辺りから、そろそろ生活ヤバいな、と思いはじめ、焦る日々が続いたのです。

しかし、次に行った日本食レストランは、奇跡的に自分にあう店で長期間働くことになるのです。

グランドセントラルのSoba屋T

それは、グランドセントラル駅の近くにある蕎麦屋Tです。

名前はTと伏せておきますが、ニューヨークではかなり有名なので、NY在住者の方はおそらくご存知かと思います。

ここは、シェフというか料理人のレベルが高く、独自の十割蕎麦が、味•歯応え共に抜群です。

他にも、焼き鳥や天ぷら、刺し身など、ありとあらゆる日本食がどれも美味しく、日本酒などのお酒も豊富にあります。

なので、ニューヨークでは評判がよく、有名人もたびたび来ており、ニューヨークメッツ時代の松坂大輔投手や俳優の渡辺謙も来てました。

(2人とも、めちゃくちゃ礼儀正しくてビックリしました。

松坂投手は店を出る際、わざわざ一度立ち止まり店員にお辞儀をするような人でしたし、

渡辺謙さんは、僕が一度、まだ食べ物が残っているお皿を間違えて片付けそうになり、ツレの人に注意されたことがあるんですが、その際も「そんな怒らないでいーよ!キミもワザとじゃないもんねー?忙しいんだから。ハハー!」と豪快に笑い飛ばしてくれました)

と、ちょっと話が逸れましたが、このTというレストランは、珍しく自分に合いました

ここのレストランでは、僕はフードランというポジションで、キッチンから出た料理をお客さんに運び、食べ方などを説明するという役目 (ウェイターとはちょっと異なる) だったのですが、ある程度自由に動かせてくれるのです。

今まで経験した飲食店はどれも、細かくて意味のないようなルールが多く、なんか常にルールにがんじがらめで、鎖に縛られて仕事をしているような感覚だったのですが、このTという店は最低限のルールはあるものの、あとは個人の裁量で自由に動いてOKなのです。

なので、こちらとしても、<自分が考える今やるべきこと> を最優先でできるため、くだらないルールはできる限り無視したい (そもそも覚えられない) 僕にはピッタリだったのです。

で、さらに嬉しかったのが、アメリカのレストランはチップ制なので、金•土などのディナーに入れば入るほどもらえる額は高くなるため、ケチなチャイナエアラインズで働いていた時よりも収入が増えました。

ということで、ニューヨークでクビを経験しながらも路頭に迷うことなく生活できたのでした。

ということで、メデタシメデタシということで、今回は終わりです。

それではまた次回!

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