ニューヨークといえば、危ない地下鉄を連想する方も多いと思いますが、今回はそのNY地下鉄でかなり危ない目にあった話です。
自分は2012年にニューヨークへ来て航空会社でインターンをしていたのですが、こちらに来て10日も経たない時期にあったトラブルです。
その日、地下鉄の4番線に乗るためにユニオンスクエア駅に来たのですが、数日前に買ったばかりのメトロカードが改札機に反応しません。
(あれ、おかしいな) と思いながら何度も試したのですが、一向に反応しないため、駅員を呼び、写真左側にある回転ゲートを特別に開けてもらうことにしました。
そして、無事に回転ゲートをくぐって、やれ一件落着!と思ったその時です。
“Hey, what the hell are you doing? You can’t go through the turnstile!!”
(おい、テメー何してる?回転ゲートを通るな!)
と横から突然、怒鳴られました。
見ると、そこには身長が190くらいあるイカつい白人の男が僕を睨んでいます。別の駅員とかでもなく、ぜんぜん関係ない普通の一般人です。
たまにいるのですが、単に自分のストレス発散のために、弱そうなアジア人をターゲットにして文句をぶちまける、頭の弱いタイプです。
なので、こちらもその失礼な物言いにかなりイラっとしながらも、バカでもちゃんと分かるように、
①チケットの不具合であること
②回転ゲートの使用はすでに駅員の許可を取ったこと
を、キッチリと説明してやりました。
すると、まさかアジア人に英語で反論されると思っていなかったその男は、その小さなプライドに火がついたらしく、僕をさらに非難してきます。(こちらに一切非はありません)
僕としても、こんなヤツにこれ以上わざわざ時間を使うのは勿体ないので、無視してプラットフォームに行ったのですが、まだしつこくピーピー言いながらついてきます。
で、いい加減こちらも堪忍袋の緒が切れ、汚い言葉ですが、
”It’s not your fu××ing business!F××k off!”(お前に関係ねーだろ、消えろ!)
と反射的に言ってしまいました。
言った瞬間、あ、ヤバッ!と思いましたが、もう後の祭りです。
案の定、そいつは闘牛みたいに顔を真っ赤にして怒り出しました。
そして、”お前がそういう言葉を使うならオレにも考えがある!” とか言って、こちらの方にズンズン近づいてきました。
ケンカになったら100%負けるため、(あ、ヤバい。○されるかも) と思いながらも、プラットフォームに逃げ場はなくどうしようもありません。
どんどん距離をつめられ、もうあと2メートルくらいの距離になった時です。周りの屈強そうな男たちが数人でそいつを止めてくれました。
で、その時ちょうど地下鉄が到着し、運の良いことに自分とその男の3メートルくらい間の位置に、それぞれ別々の車両のドアが来るような奇跡的なストッピング。
周りの人も、”お前(牛)はそのままこっちに乗れ、お前(僕)はそのままそっちに乗れ” みたいに僕らに指示してくれたので、一緒の車両に乗らずに済みました。
そして、地下鉄も結構混んでいたので、その後わざわざあの牛がこちらの車両に移動してくるようなこともなく、難を逃れたのです。
あれから、すでに10年以上が経ちますが、あの時もし助けてもらわなかったら、と今でも思うことが時々あります。
イヤな経験ですね。アジア人だからそういうのをやられやすかったのかもしれません。(ただし、ニューヨーク州の名誉のために言いますが、一般的にニューヨークは他の州に比べてアジア人軽視はかなり少ないです。自分もこの1回だけです)
今現在、もう自分はアメリカにいませんが、ただもしトランプが大統領再選にでもなったら、ヘイトクライムが増えるのではないかと陰ながら懸念している次第です。
今回は以上です。