(今日は、海外の航空会社のグランドスタッフに興味がある方向けの記事です)
最近日本を出て海外で働く人が増えていますが、いろいろな職種の中でも特に人気なのが、航空会社のグランドスタッフ(地上勤務員)です。
みなさんが海外に旅行する際、空港でパスポートを渡し、チェックイン業務を担当してくれるあの人たちです。
かくいう自分も、以前ニューヨークのJFK空港で、チャイナエアラインのグランドスタッフをしていました。
今回は、その経験を元に、これからグランドスタッフを目指す方向けに、一日の仕事の流れを紹介していきたいと思います。
(僕の場合、アメリカの空港での勤務のため、日本とはルールが若干異なる可能性がありますが、基本的には同じハズです!)
まず、チェックインの準備
一番最初にやるのは、チェックイン業務の準備です。
各々が担当のカウンターに行き、
①システムの電源を入れて、自分の航空会社の画面に設定
②白紙の搭乗券を機械にセットし、動作確認
③荷物を送るベルトコンベアーの動作確認
④自分のカウンターに、必要書類(ビザ関連や同意書など)が揃っているか確認
などカウンターの準備をします。
カウンターの準備が終われば、その後全員で、航空会社の案内サインを置いたり、乗客の列をコントロールするポールを設置したり、ビジネスクラスが並ぶ床に絨毯を敷いたりもします。
(僕はこのポール設置が一番イヤでした。重いし、時間かかるし、、)
これでチェックインの準備は完了です。
次に朝礼
次に朝礼が始まります。
朝礼では、カウンター前にグランドスタッフ全員が集まり、以下の内容を連携します。
🔹全体の乗客数
🔹車椅子の乗客数
🔹楽器を預け入れする乗客の有無
🔹ブラックリスト記載の乗客の有無
🔹現時点での遅延の有無
🔹天候(台風や大雪がありそうな場合)
朝礼が終われば、いよいよ業務開始です。
チェックイン業務開始
そして、業務開始です。
基本的な流れとしては、こんな感じです。
1️⃣ パスポート•Eチケットを預かる
2️⃣ システムに入力
3️⃣ システム内の名前とパスポートの名前の整合を確認
4️⃣ ビザ要否をシステムで確認
5️⃣ 荷物の預け入れ
6️⃣ 搭乗券•荷物タグの印刷
7️⃣ 登場ゲートの口頭案内
といった感じです。
で、これが意外に大変です。
というのも、長距離の国際線の場合、乗客は最低300人くらいは乗るのですが、チェックインカウンターの使用時間は2時間半くらいに限られており、その時間制約がある中でのチェックインとなるのでスピードが命です。
※僕の航空会社は、台北→関西経由→ニューヨークの13時間フライトだったため、乗客は常時300人弱でした。
で、さっきの1️⃣〜7️⃣の流れがスムーズに行けばいいのですが、当然そんな簡単には行きません。
中には、座席変更をしつこく求めてくる人、荷物の超過料金に納得してくれない人もいます。
そういう乗客が多い日は、本当に最後の方は時間との勝負になるので、息つくヒマもありません。
(裏ワザ)
ただ、こういう無理な要求をしてくる人が日本人の乗客だった場合にはちょっと裏技があります。
そういうちょっと面倒くさそうな日本人の人は、最初から全て英語で対応してしまうほうことです。
(そういう分からず屋は、並んでいる時から他のスタッフに文句を言ってる人が多いので、自分のカウンターに来る前にある程度、察知できる)
日本人の特性として、同じ日本人には強く当たれますが、英語を話す現地人には、ほぼ無理な要求はしないので、そこを利用するのです。
そういう系の人が自分のカウンターに入って来た時点で、全て早口の英語で話し、日系アメリカ人のフリをします。
荷物の超過料金についても、「Oh your luggage is overweight. It’s 30dollars. You pay at the casher over there(荷物の重量超過で30ドル!払うとこはあっち!」と表情も変えずに早口でまくしたてると、だいたい「あ、お、オーケー、、ソーリー」と言ってすぐに言うことを聞いてくれます。
なので、忙しくどうしようも時には、よくこの裏ワザを使っていました。
搭乗ゲート業務
というように、ようやく長いチェックインが終了、、なのですが、まだここで終わりではありません。
搭乗ゲートの業務があります。
カウンターを片付け、早足で搭乗ゲートまで行くと、さっきチェックインした乗客たちがたくさん待っています。この人たちを全員飛行機まで送り届けなければなりません。
搭乗ゲート業務は以下の通りです。
🔸搭乗案内のアナウンス
🔸楽器類の預け入れ(繊細なのでチェックインカウンターではしない)
🔸車椅子の優先搭乗
🔸ビジネスクラス搭乗
🔸一般搭乗
🔸パスポートと搭乗券の整合確認
🔺行方不明者の捜索
ゲート業務はこんな感じなのですが、比較的簡単です。
アナウンスも、付属のマイクをポチっと押して決められた内容を喋るだけですし、基本的に列に並んでもらって搭乗券とパスポートの内容をチェックし、機内に入ってもらうだけです。
。。。
。。でも。
。。でもですね、やっぱりそんな一筋縄に行かないんです。
毎回いるんですよ、、行方不明者が 🚹
チェックイン時に、搭乗時刻はしっかりと伝えているはずなんですが、どういうわけか数百人に1-2人は、搭乗終了時刻になっても姿を表しません。
そういう場合は大変です。
飛行機は、乗客1人のために待ってくれないので、残り数分の間で見つけ出し、なんとしても飛行機まで送り込む必要があります。
なので、男性スタッフがみんなで空港内をダッシュで駆けまわる大捜索が始まります。
その乗客の名前を叫びながら、いそうな免税店やスタバ、ブランド店、またセキュリティ検査の列に引っかかってないかなど、全てチェックします。
ほぼ毎回見つかるのですが、見つけたら見つけたで、今度はその乗客と元来た道をダッシュで戻ります。
これはなかなかに疲れます。
そういうわけで、最後の1人を無事に機内に送り届け、ようやく全て終了となります。
あー疲れた。。
ということで、今回はグランドスタッフの一日を紹介しましたが、どうだったでしょうか?
面白そう!やってみたい!という人は、是非お仕事に応募してみてください。
自分の場合、あくまでニューヨーク勤務だったので、日本勤務の場合とはちょっとルールに相違があるかもしれません。逆にアメリカ勤務希望の方は、今もほぼ書いた通りだと思うので参考にしていらただければ幸いです。
それでは、また次回!