ヤバい上司ってどこの国でもいますよね。
自分もアメリカ時代にそんなヤバい上司にあたってしまった経験があります。
2012年当時、自分はニューヨークのチャイナエアラインズという航空会社でグランドスタッフ (空港で乗客のチェックインを行う仕事) をしていたのですが、そこで出会ってしまったのが、そのグランドスタッフを統括するアメリカ人上司のAlan (実名)です。
このAlanをひと言で言うと、ニトログリセリンみたいなやつです。
ちょっとの衝撃で大爆発するアレです。
とにかく、毎日毎日、些細なことでキレまくります。
質問する新人には例外なくキレ、チェックインに時間がかかっているとカウンターまで来てキレ、荷物の超過料金に納得しない乗客にもキレます。
スタッフの前だろうが、乗客の前だろうがお構いなしです。
中でも、一番驚いたのが、トランジットで問題があった乗客が、マネージャーの彼に対し正当な文句を言っていた際に、途中で我慢できなくなったのか、なんとその乗客に対して「I can’t take this shit!! (このクソ客、もうムリ!)」と叫んだことです。
これにはさすがに周りもドン引きで、後にチャイナエアラインズに大クレームが来たらしく、彼は数ヶ月停職になりました。
なんでこのような人間がマネージャーになれたのかは分かりません。ずっと不思議でした。まぁ多分、要領だけはいいヤツだったので、上役が来ている時だけは抑えていたのでしょう。僕が最も嫌いなタイプです。
当然、上司と部下の関係ながら自己主張の強い僕とはソリが合うはずもなく、何度もぶつかり、めちゃくちゃ冷遇されました。
(怒られても、ハイ、ハイと聞いておけばいいのに、短気な僕はいちいち言い返していたので、彼にとっては憎さ100倍だったのでしょう。まあ、似たもの同士です)
まあ、コイツにはいろいろとヤラれましたが、個人的に最も印象的に残っているのは、Bump & Fxxk事件です。
これはあまりの理不尽さに、当時、当事者(というか被害者)の僕や他のグランドスタッフたちが陰で面白がってつけた事件名ですが、読んで字のごとく、ぶつかってFワードを叫んだという出来事です。
ある日、乗客がフルで忙しく、チェックインも制限時間ギリギリになったため、チェックイン終了後、みんな急いで搭乗ゲートに向かおうとしてました。(グランドスタッフは、チェックイン業務後は、搭乗ゲートでの案内業務があります)
僕も共有バックから、搭乗ゲート業務で使う物品をピックアップし、さあ行こうと立ち上がり、勢いよく振り返ったとき、ちょうどタイミング悪く、後ろにいたAlanに身体がぶつかってしまったのです。
双方の不注意だし、ぶつかったといっても軽くなので、僕はSorryとだけ言いましたが、Alanは烈火のごとく怒りだし、【Fxxk!!】と大声で叫んだのです。
まだチェックインを終えたばかりの乗客がいる前で。
これには日頃からAlanのそういう態度には慣れているとはいえ、僕も唖然としました。
周りで黙って見ていた同僚も、さすがにコレはダメだろ、と思ったらしいのですが、どうせ言っても聞くような性格でもないし、逆にそのあまりの理不尽さが、もはやみんなの間でギャグ化され、後に生まれたのが、Bump & Fxxk事件という言葉です。
あれから10年以上が経ち、その間自分も世界各地で働いてきましたが、未だに悪い意味でAlanを超える上司は存在しません。
確かに嫌な思い出には違いありませんが、この経験は、以降少しくらい海外で辛くても、巷間よく言う、”あの頃と比べれば〜” 的な自己鼓舞としての重要な要素にはなっているので、逆に自分にとってAlanの元で働いたことは収穫だったとも思っています。
ということで、今回は以上です‼️