【情けない話】海外の初バイトを1週間で逃げ出す

【オーストラリア】生活編

こんにちは。KEISUKEです。

今日は、僕がオーストラリアのアデレードで初めて働いた時のお話しをします。当時は社会人留学だったので、“働いた”といっても、学生ビザでできる範囲の単なるアルバイトです。

その海外初のアルバイトで、わずか1週間で心が折れ、逃げ出したという何とも情け無い内容を時系列で詳しく説明します。

それでは、さっそく当時を振り返っていこうと思います。

アルバイトを決意し、面接へ。。

オーストラリアのアデレードに来てはや2ケ月。

少しずつ留学生活にも慣れてきた頃、日本食レストランでバイトしている中国人の友達(LENA)から、同じレストランで働かないか?と誘われました。

なんでも、キッチンのスタッフが突然辞めたらしく、代わりのバイトを急遽さがしているとのこと。

キッチンは、ちょっと盛り付けして、ウェイトレスに渡すだけだから簡単だよー」との言葉を信じて、すぐにヘタな英語で履歴書を書き、そのレストランへ面接に行きました。

レストラン【MATSURI】

(今回ネガティブなことを書くので、実際の店舗名を出すかどうか迷いましたが、調べたところ、すでに閉店しており影響なさそうなので、そのまま書きます)

そのレストランとは、アデレードで有名な日本食レストランの老舗「MATSURI」。ブラジルの英雄アイルトン•セナも来たことがあるほど認知度が高いお店で、当時アデレードで本格的な日本料理が楽しめる数少ない場所でした。

さっそく履歴書を握りしめ、人生初の海外バイト面接にドキドキしながら臨みます。面接を担当したのは《オーナーのGさん》と《料理長のHさん》の日本人のお二人。LENAからの紹介ということもあり、特にいろいろ突っ込んで質問されるわけでもなく、アッサリと採用が決まりました。

オーナーのGさんも、料理長のHさんも、面接中は丁寧で、優しい感じでした。Gさんは筋肉質の爽やかスポーツマン、Hさんは50代ながらも好々爺といった感じで、悟りを開いた仏陀のような朗らかな笑顔が印象的でした。(のちに、Gさんは本当に良い人で、料理長のHはとんでもねーヤツだったことが判明しますが)

初日で、いきなり怒鳴られ。。

さて、翌週になり、いよいよバイトの初日。自身の真面目ぶりをいやらしくアピールするために、ワザと30分くらい前に店に到着した僕は、さっそくユニフォームに着替え、キッチンに入りました。

すると、そこには仕込みで早く来ている料理長Hさんの姿が。。

面接の際に好印象を抱いていた僕は、すぐに「Hさん。お疲れ様です、今日からよろしくお願いします」と挨拶したのですが、意外にも「おう、なんだお前か!今日からしっかりやれよ!」と、面接時の仏陀のような表情からは打って変わって般若のような目つきで言ってきます。どうやら包丁を握ったら人が変わっちゃう職人肌な気質のようです。

ちょっと面くらって(うわ、こういう系苦手だな。。)と思いながらも、

「はい、頑張ります」と答えましたが、なんかもう、この時点でヤバそうな雰囲気がプンプンします。

なんせ僕は日本の大学時代、居酒屋のキッチンのアルバイトで、そのあまりの立ち回りの悪さに、3日でクビを宣告された男です。メニューが覚えられず(興味がなかった)、冷蔵庫の中のどの位置に何の食材があるかも覚えられず(興味がなかった)、一番簡単な天ぷらの揚げ方も何回教えられてもできずに、すぐ店長に呼び出され、3日のバイト代を現金で手渡しされ、そのままクビになった男なのです。

そんな僕が、こんな厳しそうな料理長のもとでやっていけるわけがないのです。

そして、いよいよ、、

業務が始まるのですが、ご想像の通りめちゃくちゃ怒鳴られます。

うるし製の弁当箱の所定の位置に、煮物やらサラダやら天ぷらやらを入れていくのですが、どうしても分量がバラバラになったり、違う場所に入れてしまったりすることがあるのですが、その度に、

てめえ!どこに目つけてんだ!

ちげーだろ!バカヤロー!

今度やったら頭かち割るぞ!

めえ!調子に乗るな!(そもそも乗ってない)」

など、ドラマでしか耳にしたことがないようなレパートリーあふれる罵詈雑言が飛んできます。

こんな感じが約5時間も続くのですからたまったもんじゃありません。結局夜11時に初日の勤務を終え、家に帰る頃には心身ともにヘトヘトになり、(クソ、LENAのやつ騙したな)と思いながら、すでにここで働き始めたことを後悔しはじめました。

放送禁止用語を連発

さすがに、このままではヤバい、と思い、次の日はいやらしいアピールとかではなく、本当に予習するためにオープン1時間前に行き、料理の盛り付けや、料理ごとの食器や弁当箱の位置など必死に覚えました。

が、いかんせん、そんなの付け焼き刃です。そもそもたった2日で、その料理長の満足する動きが取れるはずもありません。

早く皿持ってこい、バカが!

早く動けっつってんだろ!テメーはでくの坊か!

テメーは頭パーか!今日早く来て、なんかメモしてたくせに、意味ねーじゃねーか!

など、その日も、よくこんなに瞬時にいろいろ思いつくもんだ、と逆に感心するくらいの豊富なボキャブラリーで責めたてられます。

そして極めつけは、《キチ○○》のひとことです。その日は金曜日の夜でお客さんが、ひっきりなしに来る大盛況ぶりで、ラストオーダーの直前にも寿司の大皿のオーダーが入ったのですが、それを伝えにきたウェイトレスに、

今日はキチ○○みたいに客が来やがって!」と叫んだのです。

もちろんキッチン内の話なので、直接お客さんには聞こえませんが、さすがにこれにはドン引きし、(うわ、こいつ、いずれ何するかわからんな、その包丁で)とまさかの事態にも警戒するような心持ちになりました。

そこから閉店まで、怒鳴られながらもなんとか乗り切り、やっと2日目の仕事を終えました。

ロッカーで着替えてヘトヘトになった状態で帰ろうとすると、例のオーナーのGさんが何か察したのか、

「KEISUKEくん、今日は大変だったね」

と声をかけてくれます。ありていに「はい」と返答すると、続けて

「KEISUKEくんは筋肉に興味はないか?週末にみんなに筋トレをしているんだが、ちょっと参加してみないか?」

と、なぜか突然筋トレに誘われましたが、おそらく凹んでいる僕をおもんばかり、フォローのつもりで言ってくれてることは伝わりました。

そんな優しいオーナーには感謝しつつも、やはり、もうこの時点で店を離れる覚悟を固めつつありました。

手紙を書き、辞める

それから、同じような状態が数日続き、やはりこんなところでは働けないなと思ったため辞めることにしました。

直接言いにいってHと鉢合わせするのも嫌だし、電話で伝えるのはさすがに失礼と思ったので、手紙を書くことにしました。内容としては、まさかHのことを書くわけにもいかず、ただ単純に業務が覚えられそうにないこと (ただし、これもある意味本当で、興味のないことに関してはいくら勉強しても、頭に入ってこないのです。プロ野球の打撃成績や英語のセリフとかはすぐ覚えられるのに) を手紙に書いて、LENAに持っていってもらうように頼みました。

手紙を受け取ったLENAは、

「、、もしかしてHさんのせい?あの人ちょっと頭おかしいし、ウェイトレスにはすぐセクハラとかするからみんなにめちゃ嫌われてるよ〜」とのこと。

いや、それなら最初から言っておいてくれ、と思いつつ、彼女に手紙を託し、もうこの件についてはそれっきり考えないことにしました。


ということで、以上が僕の苦い海外での初バイトでした。

僕はオーストラリアで、その後も、別々のレストランで3回連続クビになったりしているので(こちらに関しては3回とも、全て自分が悪いです)、今後の記事ではそれにも触れていきたいと思います。

それでは、また次回!

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